
![]() |
●ジャカルタへ ガルーダ航空の、色黒でチヤーミングなスチュワーデスの横顔に見とれながらの快適な旅は、デンバサールでの乗り継ぎを経てインドネシアの首都ジャカルタへ。黒い絨毯に黄金色の宝石を撒き散らしたよう、にキラキラと輝いている夜のジヤカルタの街の中へ、機は引き込まれるように降下していく。 ホテルへ向かうバスの心地よい揺れに身をゆだね、美しく輝くジヤカルタの街の灯りを、疲れと緊張でやや朦朧とした眼差しで見やりながら、とうとう来たか…と、あまり意味のない感動に胸を昂らせていた。 |
| ●ヒルトン・ホテル ジヤカルタの中心部、広い緑地の中にその威容を誇るヒルトン・インターナショナル・ホテル。凝ったジヤワ装飾の内装と、聞き慣れない言葉と喧騒の中を、重い荷物を抱えたジャパニーズの一団が突き進む。ウエルカムフルーツの飾られた部屋に落ち着いたのも束の間、元気な中年組は早速ホテルの中を徘徊。お洒落なカフェに陣取ると、英語風の日本語を駆使、異国でのはじめてのテイーを楽しんだ。 花と緑に彩られたガーデン、青い水面が眩しいプール。耳をくすぐるエキゾチツクな音楽と魅惑的な眼差しの異国の娘たち…とくれば、色っぽく決めたいところだが、着替えもそこそこに爆睡モードに。 ●市内をぐるぐる ゆっくり朝食を楽しむ間もなく、ミセス・クースのギャラリーへ出発。元ファッションモデルで、今はデザイナーとして活躍しているクースさんは、インドネシアの伝統工芸品のコレクターでもあるという。一般 にはあまり公開していないというそのコレクションへの期待に胸を膨らませながら、人と車がせわしなくひしめきあうジャカルタの市内をグルグル。細く入りくんだダウンタウンを、大きなバスが窮屈そうに走りぬ ける。 ![]() ドアの無い乗り合いバス。 |
快眠の一夜が明けて、相変わらずの快晴のジヤカルタ。部屋の窓から見える高層ビルが、朝日に黄金色に輝いて美しい。 こちらでの朝食はほとんどがバイキングスタイル。独特の香辛料を効かせた料理が食欲を誘い、選ぶのに困るほど。もちろん、日本からの客も多いので日本食もしっかり用意されている。おかゆに味噌汁、味付海苔にたくあんまで、いたれりつくせりだ。それも、けっこう美味しいから嬉しい。 |
|
![]() 赤い瓦屋根が印象的な住宅街と高層ビル群 |
||
| ジャカルタの交通事情といったら恐ろしいほど。遠慮していたら角も曲がれない。頭を先に出した方が勝ち!状態の連続である。 それでも大きな事故は意外と少ないようで、おたがいさまというのか、絶妙のバランスが保たれているようだ。追い越しや割り込みで、殺人事件にもなりかねない日本に比べたら、気持ちが大きいのかも知れない。 走っている車の多くは日本車だが、その有様ときたらいつ洗車したのか分からない程の汚れ方。市民の通 勤の足だという乗合バスにはドアも無い。だが、クーラーの無い車では涼しくてかえって効率的だともいえる。 |
| ●ジャカルタ時間? 近くのインドネシア料理のレストランで遅い昼食を済ませた一行は、この後、織物の工房を見学。さらにジャカルタでも指折りのデパートに立ち寄り、インドネシアの工芸品や民芸品が所狭しと並ぶコーナーを視察。その豊富な品を前にさっそく買い物にいそしむ人もいた。 その夜はホテルのビュッフェで、地元のデザイナーや有志の方々との交流のパーテイーが開かれた。総勢五十名近いパーテイーとなったが、ここで内輪話をひとつ。 日本語と英語と現地語が飛び交う国際色ゆたかなパーテイーが、ホテルヒルトンの特別 室で華やかに始まった…となる筈だったのだが、定刻を三十分過ぎてもお客様が来ない。静岡時間も有名だがジャカルタ時間もたいしたもの。結局一時間遅れでのスタートとなってしまった。しかし、始まってしまえば後は和気あいあい。政界の大物という人から新進気鋭のデザナー、アシスタントの美しい女性達などとの交歓の輪が開く。プレゼントの交換などを交えての和やかな交流会となった。 |
![]() ![]() パーティ−の様子と川合氏の部屋での仲間たち |
| ●川合氏のマンションへ ジャカルタの三日目。観光組の人達と分かれて、我々は川合氏のマンションを訪問することに。噂には聞いていたが、ガードマンに守られた玄関を入るとちょっとしたホテルの雰囲気。大理石のシックなホールの広さと静寂に、話し声も遠慮がちになる始末。川合氏の部屋はと見れば、広い居間、キングサイズのベッドと机が置かれた自室、ツインベッドの |
ゲストルーム、そしてバスルームとキッチン。余計な家具も無く広々ゆったり!さらに屋上にはトレーニングルームとプール付きとくれば、思わず羨望の声も出るところだが、不安な異国の地で孤軍奮闘の彼の日々を思えば、まあ、許そうか…ということに。さらに元気に活躍されることを祈りたいと思う。 |
![]() ●バリ島へ |
![]() プライベートビーチとホテルの中庭 |
|
| つつみを打ちながら、専属の楽団の奏でる怪しい日本語の演歌のサービスに感激。ビールのほど良い酔いに至福のひとときを享受していたのだが、この後メンバーの数人が眠れぬ 夜を過ごすことに…。 翌朝、何人かが胃腸の不快を訴え、中には発熱で苦しむ人も。なま水には充分注意していたのだが、どうやら馴れない味付けの食事にとまどったらしい。幸い医者の世話になることもなく、ほっと胸をなでおろす。 |
![]() |
●ウブドへ それぞれが思い思いのひとときを過ごした午後、次の目的地であるウブドの村へ移動。芸術の村といわれるウブドは、バリ島中部の農村。内外から多くの芸術家が住み付き、絵の制作や服のデザイン、ガムラン音楽などの勉強に励んでいるという。 ヌサ・ドウアからの道筋には、木彫りや織物、彫金の村や絵画の工房などが点在する。駆け足ながらそれらを見てまわる事に。まあ、早く云えば売店巡りだが、それはそれで楽しいもの。それぞれが自慢の製品を所狭しと並べて観光客を待ち受けている。高い!NO! 負けろ!などのやりとりも板につき、買い物に没頭したひとときだった。 |
![]() バリ絵画と工芸品 |
●不思議な魅力 バスが止まるたびに、幼げな娘やその母親とおぼしき女性達の土産物売りの攻撃に襲われる。千円!千円!と叫びながら、わずかな時間にひとつでも多く売りつけようとの凄まじい迫力に圧倒される。 誘いに負けて買ってしまった、40個で千円というキーホルダーの束。南国特有の派手な色に塗られた、木彫りの魚や鳥や果 物。お世辞にも良い出来とは云えないが、そのユーモラスな形の不思議なあじわいと愛らしさに、つい嬉しくなってしまうのは何故だろう。木彫りの箱の、これで充分と云わんばかりの屈託の無い造作にも、心をなごませる魅力を感じてしまう。 |
| 目次へ | すすむ |