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<仙台> お正月には帰郷しないという長男を訪ねて、私たちと次男の三人で仙台へ出かけた。見覚えのある景色にいちいち感動する妻の声をやり過ごしながら、私は東北道を車を飛ばした。 ほとんどの学生たちが帰郷した明善寮は、恐いほどに静まり返っていた。廊下や台所、トイレなどの汚さは相変わらずのもの凄さだった。長男は家庭教師のバイトとかで留守だった。 掃除が一段落すると、そそくさとKEIKOが料理を始めた。ひさしぶりの家族だんらんということで、長男の好きなすき焼きの準備と、途中で買い入れたタラバガニを焼き始めた。香ばしい匂いが台所のある廊下に漂い始めた。そして事件が起こった。 |
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しばらくすると、台所と廊下はかなりの煙りに包まれていた。あわてて換気扇を回したが、汚れて回転力が落ちていたのか効果が無かった。仕方なく窓を空けて換気をしようとした時だった。どこかで火災報知器が鳴り始めた。続いて寮内中に火災発生の放送が流れ、どこに居たのか数人の若者がドカドカと走って来た。手には消化器が握られていた。 バイトから戻った長男を中心に、狭い部屋の小さな炬燵の上のすき焼きとカニをほうばりなが、その夜はこの話題でもちきりだった。 ひさしぶりに揃った家族のにぎやかな笑い声が、夜遅くまで途切れなかった。 |