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<仙台> 長男の試練の日々が始まった。 彼の受講会場への移動はもっぱら愛用の400ccバイクを使っていた。だが、京都での受講中になんと盗まれてしまったのだ。警察に届けると新幹線で帰宅した彼はひどく落ち込んでいた。苦労して用意したバイクだったのだ。
数日後、京都の警察から見つかったとの連絡が入り急ぎ取りに出掛けたが、バイクは裸同然の惨澹たるありさまだった。 |
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季節はめぐり、ふたたび受験の時期になった。そして運命の試験が始まった。
長男は意気揚々と京都に向かった。だが、ここでまた彼の運命を変える事件が起きたのだった。
京都へ向かう新幹線の中で、ひたすら参考書に目をやる彼に、隣合わせた初老の紳士が声を掛けて来た。
「京都では何を勉強したいのかね?」 確かに東北大学は京都に似た校風の魅力ある大学だった。二浪覚悟で京都1本で行こうと決めていた彼だったが、教授の熱心な態度にその心は大きく揺れた。 |