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<マイホーム> 昭和51年春。長男が小学校に入学した。私が通った小学校だった。懐かしさと嬉しさが交差していた。 その年の6月、私は念願のデザイン事務所を開いた。兄弟の会社が新築した事務所の二階を借りてのスタートだった。仕事も知り合いや縁故の紹介を頼りの細々としたものだったが、小さな町での本格的なデザイン事務所は初めてとあって、仕事は意外と順調に増えていった。 KEIKOは、ときおり近くの商店等でのパート勤めをしながら、子供たちの世話に追われていた。私の仕事もまずまずの状態で、家族にも穏やかな日々が続いていた。
昭和52年の夏だった。子供たちと郊外の公営のプールに出かけた戻り道、ある住宅メーカーのモデルハウスの見学会が開かれているのを見つけ、とりあえず覗いてみることにした。 「パパ。この家、買うの?」 「いつ頃のご予定ですか?」 |
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「いいなあ〜。欲しいなあ〜・・・」 田舎のこの辺りは持ち家が多く、学校の父兄の中でもアパート住まいは肩身の狭い思いをすることがあった。ましてや私は地元の出身であり、幼馴染みは家持ちの者が大半だった。だが、今の私にはどんなに逆立ちしても無理な話だった。もちろんKEIKOにもそれは充分解っていた。ただ、少し甘えてみたい気持ちになっていただけだった。
「そのうちにな!」 |